第2回オールフォア選手権を振り返って

2024年01月11日 17:30

新年あけましておめでとうございます。エブリーグの小山です。

新春記念で今年の1月4日に開催した「第2回 漢は黙ってオールフォア選手権」でついに主催の私が優勝できたので(歓喜)、記念に振り返りを書いてみようと思います。

「漢は黙ってオールフォア選手権」とは、エブリーグが協賛いただいているRallysさんの名物Tシャツ「漢は黙ってオールフォアTシャツ」とのコラボで始まった企画で、フォア面のみ、1ゲームマッチのみというフィジカルとメンタルの両方が試される戦い。ペンホルダーの場合は、ラケットの角度が90度よりバック面に傾いたらバックハンド(失点)という判定になり、この漢気溢れるトーナメント戦を制した最強の漢には、「漢は黙ってオールフォアTシャツ」が贈呈されます。

昨年7月に開催した第1回の様子をRallysさんや卓キチさんのYouTubeで取り上げていただき一躍評判になり、第2回を開催してほしいという声を多々いただき満を持しての今回第2回開催となりました。

今回、同種目には圧倒的なフィジカリストを呼びたいという思いから、跳び箱19段を跳躍するという超人的な身体能力を持つ岩井俊貴選手を招待選手に招かせていただきました。私も跳び箱19段ほどではありませんが、竹馬で10km走破したり、月に315kmランニングをしたりとフィジカルには少しばかり自信があるほうなので、岩井選手と至高のフィジカル対決をするのが年末年始の楽しみの1つでした。

「漢のフットワークで新年の幕開け」と銘打った同種目は、メイン種目(通常のシングルスダブルス)の開始1時間前のスタート。早朝で自由参加にも関わらず参加者の8割が参加し、会場が漢気に包まれているのを感じます。

私の初戦(2回戦)の対戦相手は、右裏(シェーク)の木賀選手。ラケット交換の時に「右裏…です笑」と言われて確かにと思いましたが、バック面には何を貼っていようと関係ないのがこの種目(笑)。待ち方が限定されるため、冷静に相手の待ちを外してコースを振り分ける力と、全てを凌駕するフットワーク力が攻略の二柱になります。初戦の私はまずは慎重に、相手のフォア前、バックロング、バック前の3種をバランス良く使ってしっかり待ちを散らしつつ、年末年始で錆びついた足も少しずつ慣らして、11-4で好スタートを切りました。

続く3回戦は、右裏(シェーク)の強豪高校生。序盤で仕かけたバックへのロングサーブが瞬足でカチ込まれてしまい、勢いを感じます。たまたま待ちが当たっただけという可能性もあるので、念の為、何食わぬ顔で再度ロングサーブで勝負してみましたが、やはりカモられ撃沈。強い。それを待ってカウンターという選択肢もありますが、かなり険しい冒険ルート。私は堅実にフォア前、ミドル前、バック前の短い展開から先手を取ってコースを振り分け、11-6で逃げ切りました。岩井選手と対戦するまでは、負けるわけにはいかない…!

4回戦の相手は、左裏(シェーク)の立石選手。サーブと3球目が非常に強力な選手で、第1回オールフォア選手権で対戦した時には8-10で心臓を握られるところまで追い詰められ九死に一生を得ていた強敵なので、私は出だしからフルパワー。戸愚呂100%中の100%で戦います。序盤から私の回り込みカウンターがフォアに飛ばされたボールを更に飛びついてドライブするという竹馬の舞いを見せると、「これが見たかったんだよ!」とギャラリーが湧きます。こうした銀鱗躍動、迫力満点のプレーを見られるのがオールフォア選手権の醍醐味です。しかし冷静な立石選手は好プレーに動じず、冷静に私のバック前を起点にサーブを組み立て3球目につなげ、「左はあれが強いんだよなあ」とギャラリー(おかだたかや)の嘆く声が。たしかに、フォアのサイドを切る配球もある左から繰り出されるバック前は、どうしてもフォアで入ると遅れてしまいます。しかし、日頃からこの世の全てのサーブをフォアでレシーブしているフォア主戦型のこの私。全面フォア待ちなど慣れた所作です。フォアサイドもしっかり処理しながら、バック前の打点を上げストレート、フォアサイドとレシーブからコースを散らしていき、「いつも通りじゃねえか!」というおかだたかやのツッコミを背に活路を開き11-5で制しました。

しかしここで、反対ブロックで4回戦を戦っている岩井選手の試合が湧いているのに気付き、嫌な予感がして慌てて見に行きます。スコアは8-8。岩井選手の対戦相手は右裏の強豪大学生・鈴木選手(本来バック粒のカットマン)で、なんと動かずにフォアのグリップでバックから打球するというシーミラー打法を使っており、常軌を逸した戦いに歓声が湧いています。激しい戦いはデュースにもつれ、13-13で鈴木選手がしゃがみ込みサーブから3球目をバックに打ち込むと、岩井選手は体制を崩しながらも強引にフォアで引き返す跳び箱の舞いを披露。その勢いのまま15-13で勝利をもぎ取り、歓声鳴り止まぬ中、「やはり奴のあの跳び箱の舞いに対抗できるのは、私の竹馬の舞いしかない…」と物陰でそっと呟きました。

そしてここで、ベスト4が出揃います。準決勝は、

岩井選手(招待選手)vsおかだたかや(エブリーグ)
私(エブリーグ)vs 瀬谷選手(つばさクラブ)

というカードに。瀬谷選手は、第1回オールフォア選手権の準決勝で私と激闘を繰り広げたRallysの竹下選手に勝ってここまで上がってきた強敵。ブロックマンのおかだたかやは、フォアドライブが非常に遅いのでまさか勝ち上がるとは思っていなかったのですが、なぜか勝ってきましたね。。。ともあれ、私があと1試合勝利できれば、念願の岩井選手との対戦が叶いそうなので、目の前の試合を集中して戦います。

準決勝の瀬谷選手は、右裏。サーブの配球が非常に巧みで、ロング、バックサイドと厳しいコースに揺さぶられて出だしは0-2。しかし、岩井選手との決勝戦をイメージして私は更にギアを上げ、バックサイドに打ち込まれたドライブを2mくらいの回り込みをしてストレートにカウンターするという竹馬の舞い(極)を披露。その後もほぼ全てのコースを動き切る竹馬劇場となり、11-4で完勝。

ついに、岩井選手と戦えるぜ。瀬谷選手と握手を交わした後、同時に試合に入っていた隣の岩井選手vsおかだたかやの試合スコアを見ると、岩井選手が7-0でリード。さすが跳び箱の舞いだなあ、と思った直後、0の左隣に1が見えることに気付く。あれ、、、、10、、、? 7-10、、、? 嘘だ。。。審判が手汗で滑って間違えて10枚捲っちゃったとか、、、? しかし次の1ポイント、岩井選手がレシーブドライブで得点すると、渾身の飛び箱ガッツポーズ。あ、これガチの8-10やんけ、と理解。突如包まれた緊張感に、審判じゃなくて私の手に汗が充満するのを感じます。

8-10で岩井選手がミドル前に上回転の巻き込みサーブを出すと、バックに押されたレシーブを冷静に回り込んで打ち返し9-10に。さすが、さすがや。一体どうやってこの出来で10点も取られたのか。。。
そして大事な9-10。再びミドル前に上回転の巻き込みサーブを出した岩井選手。素晴らしい配球。ミドル前を起点にすれば厳しいコースへのレシーブを避けられるし、上回転だから長いボールだけに絞れて確実にフォアで待てる。さすが、さすがやで、と思った次の瞬間、おかだたかやがなんとフォア前にビタ止めのストップ。岩井選手も慌てて突っ込むが間に合わず、ボールは宙に浮きコートを超えていく。そのボールをキャッチしたおかだたかやが「カモン!!」と雄叫びを上げるとカウンターが捲られ、9-11。会場が悪夢のような歓声に包まれた。

オールフォア選手権という漢気溢れる舞台で、オールフォアを潰すストップとブロックで勝ち上がってきたこの狡い男は、ついに招待選手にも勝って決勝に駒を進めてしまった。皆が期待していたフットワークで駆け巡る華の決勝戦が、まさかの、ブロック対ドライブの地味な戦いになってしまった。同じ主催者として、こんなエセオールフォアは私が成敗しなければいけない。

岩井選手の敗北を悲しむのも束の間、私は強い使命感を持って決勝戦のコートに入ります。そうして始まった試合ですが、序盤からおかだたかやの姑息なストップとブロックの揺さぶりがハマってしまい、竹馬の舞いが不発。挙句の果てにあの遅いドライブでも得点を取られてしまい、気が付くと9-10でマッチポイントを握られていました。こうやって清く正しいオールフォアたちを食ってきたのか。なんとしてもこの跳梁跋扈する悪鬼の優勝を阻止して、オールフォア界に平和を取り戻さなければならない。気持ちは鬼舞辻無惨に立ち向かう炭治郎です。

9-10。私はバック前に上回転の巻き込みサーブを出す。奴の手口はわかっています。必ずストップしてくる。しかしバック前に変えた差分で少し打点が落ちるはず。私はそのコンマのタイミングを待ち、親指を失う覚悟で台際に踏み込んだ台上ドライブで10-10に。清く正しいオールフォアの戦士たちが歓声で応えてくれます。そこから更に5回の姑息な攻撃を受け、計5回のマッチポイントを取られるも、全集中竹馬の呼吸でその全てを死守。最後は、欲張ってドライブを打とうとしたおかだたかやのラケットが宙を切り、17-15で私が辛勝。なんとかオールフォア界の治安を守ることに成功しました。

長くなりましたが、オールフォア選手権ではさまざまなドラマが起こります。そして第3回では、オールフォア選手権と共に、今度はバック限定のオールバック選手権も開催する予定です。まだ正式決定ではありませんが、4/6(土)に開催できるよう調整を進めています。本年も、皆様により大会を楽しんでもらえるように、少しでも良い企画、大会にできるように、私と岡田も共に大会を楽しみながら邁進して参ります。

末筆ながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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